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20代離職率30%から半減へ。現場で分断されがちな建設業界のコミュニケーション戦略とは
平岩建設株式会社
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建設・ゼネコン
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101〜300名
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社員様の声
記事のポイント
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現場中心の働き方が、若手の早期離職の引き金に
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ベテラン職人も使えるシンプルUIが導入の決め手に
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離職率が14.8%へ大幅改善、新卒採用数も5倍の10人
埼玉県所沢市を中心に、創業から80年にわたり地域密着の総合建設業を展開する平岩建設株式会社。
建設業界特有の現場中心の働き方によるコミュニケーション課題を抱える中、同社では組織の一体感醸成と社員の離職率・定着率改善を目指し、2024年に『ourly』を導入しました。
導入から約2年。アナログなコミュニケーションが主流だった建設現場で、いかにして『ourly』を定着させ、若手離職率の大幅改善や採用ブランディングにつなげたのか。総務部次長であり、ourly運用を主導する大倉裕史さまにお話を伺いました。
総務部 次長 大倉 裕史 氏
新卒入社したメディア制作会社では求人広告制作に従事。取材・撮影からディレクションや進行管理まで幅広い制作業務を経験。その後、不動産デベロッパー・建設会社において広告宣伝・広報業務を担当。2023年より平岩建設株式会社にて社内外への広報業務や採用ブランディング業務に従事。

──まずは、ourly導入以前に抱えていた組織課題について教えてください。
建設業界の構造的な課題でもあるのですが、やはり「現場中心の働き方によるコミュニケーションの希薄化」が一番の問題でした。
現場の規模にもよりますが、一つの現場で1~2年程度、複数の社員が担当することになるのですが、その間は、基本的に現場へ直行直帰の毎日です。
特に新入社員にとっては、会社に慣れないままに、配属された現場の上司や先輩としか顔を合わせない日々が続きます。本社にいる私たちが「最近どう?」と声をかけたくても、物理的に会う機会がほとんどありません。
事業規模の拡大により、中途入社の社員も増加していたので、いつの間にか新しい社員が入っていても顔も名前も知らない、あるいは、気づいたら辞めていたといった話も聞こえてくるようになっていました。
──現場に行ったきりになってしまい、組織としてのつながりを感じにくかったのですね。
ええ。特に深刻だったのが若手、20代の離職です。業界や会社を問わず、どこも共通の悩みだとは思いますが、弊社でもourlyを導入する以前の3年目には、年間の離職率が30%まで達していました。
現場の所長クラスの社員は、20台の若手にとって父親やそれ以上の年長者という事も多く、日々の業務に追われる中、なかなか気軽に相談したり、コミュニケーションをとる機会やきっかけがありません。気づけば一人で悩みや孤独感を深めていて、離職につながっていたのだと思います。
年に2回の部内親睦会の補助や、20代社員だけを集めたイベントや飲み会を行う「若手会」の開催なども行ってきましたが、年に数度の機会だけでしたので、より日常的にインナーコミュニケーションをとれる仕組みの導入が急務だと考えていました。

──組織改善のために、最初は社内SNSや感謝・称賛を送り合うツールなども検討されたと伺いました。なぜ最終的に『ourly』を選ばれたのでしょうか?
おっしゃる通り、当初は「社員同士で称賛し合う文化を作りたい」と考え、ポイントを送り合うような他社ツールも検討しました。しかし、社内で議論を重ねる中で気づいたんです。「そもそも顔も名前も知らない相手を、どうやって褒めるんだ?」と。
普段のコミュニケーションすら取れていない状態で、いきなり「感謝のポイントを送り合おう」と言っても、結局は仲の良い特定の人たちだけでポイントが回るだけになってしまう。それでは意味がありません。
──まずはコミュニケーションが起こる土壌が必要だと。
はい。「まずは社員の顔と名前、そして人となりを知ることから始めよう」と決めました。その点で『ourly』は、記事の発信機能はもちろんですが、プロフィール機能が非常に充実していたのが決め手になりました。顔写真だけでなく、趣味や特技などのタグ付けが簡単にでき、そこから「この人は釣りが好きなんだ」「同じバイク好きだ」といった共通点が見つかる。これなら会話のきっかけが生まれると直感しました。
また、ITツールに不慣れな年代の社員も多いので、機能がシンプルで直感的に使えるUIだったことも大きなポイントでした。

──導入にあたって、現場の社員さんからの反発や、「忙しくて見てもらえないのでは」という懸念はありませんでしたか?
ものすごくありました(笑)。「現場は予算と工期に追われているのに、そんなの見ている暇はない」なんて言われるのは覚悟していました。当初は「半分も見てもらえないんじゃないか」と心配していたくらいです。
──それでも現在、ログイン率は80%前後で安定しています。どのように浸透させていったのでしょうか?
工夫した点はいくつかありますが、一つは「新卒社員による現場レポート」です。
その年に入社した新卒社員に、月1回、自分の担当する現場の様子や学んだことを記事として発信してもらいました。「今年入った新人が頑張っている」となれば、先輩社員たちも気になって見てくれますし、応援のコメントも集まりやすいのではと考えました。

<実際に新入社員が執筆した記事>
もう一つは、オフラインイベントとの連動です。
年始の賀詞交歓会で、全社員参加の「クイズ大会」を行いました。そのクイズの内容を、ourlyのプロフィールや過去の記事から出題したんです。「〇〇さんの意外な趣味はなんでしょう?」といった感じで。
そうすると、クイズに答えるためにはourlyを見ておかないといけない(笑)。賞品も豪華にしたので大盛り上がりで、それを機に「使い方がわからない」と言っていたベテラン社員が若手に教えてもらう姿も見られました。
──“見ざるを得ない”楽しい仕掛けを作ったわけですね。
そうですね。あとは地道ですが、私やブランディング委員のメンバーが現場に行くたびに「ourly見てますか?」「ログインの仕方わかりますか?」「あの記事おもしろいですよ」「プロフィール入力手伝いましょうか?」「記事書いてみませんか?」などと声をかけ続けました。
土木工事部の統括部長といった影響力のあるキーマンが記事を書いてくれるなど、書き手として協力してくれる社員が徐々に増えていったのも大きかったです。
また、ourlyの分析機能を活用して、戦略的に運用を改善できた点も大きかったです。
「この記事はどの部署の人によく読まれているか」「現場社員の閲覧率が低いのはなぜか」といった数字がリアルタイムで見えるので、それをもとに「来月は現場系の記事をもっと増やそう」といったPDCAを回すことができました。

──導入から約2年が経ち、どのような変化を感じていますか?
一番の成果は、若手の離職率が劇的に改善したことです。20代の離職率は、導入前の30%から14.8%まで低下しました。昨年は新卒の退職者も出ていません。
新卒社員の研修が終わり、各現場に配属されるのは、毎年のことながら「現場の仕事や雰囲気についていけるかな」と心配してしまいます。
それが昨年からは、新卒社員が配属前からourlyで自己紹介や研修レポートなど、何本か記事を書いていたおかげで、どんな新卒社員が入ってくるか、現場の先輩社員もある程度把握できていたことが功を奏しました。
──現場の方が、配属前に新入社員の方が書いた記事を読んでいたんですね。
そうなんです。ある現場では、次席を務めている先輩社員が、「いい記事書いてたね」と声をかけてくれたり、「今度配属される新人は有望そうですよ」と所長や現場の先輩方に話をしてくれていたようです。
所長自身は忙しさもあり、なかなか記事の中身までは見られていなかったようですが、記事の更新通知メールが来ているのを見て「なんか色々書いているみたいだな」と、新人が頑張って発信していること自体は認知してくれていたようです(笑)。
その現場は、規模が大きく平岩建設の本社からも距離のある大変な現場だったので、特に心配だったのですが、現場でも可愛がられ、今も元気に活躍しています。
──記事発信が、現場配属の心理的ハードルを大きく下げたんですね。
そうですね。また、ourlyの運用を通じて、新卒社員とリアルなコミュニケーションも定期的にとることができるようになったことも大きいです。
新卒社員には『ブランディング委員』として、入社から1年間、月に1回は本社に来て編集会議に参加してもらうようにしました。普段は現場に直行直帰で孤独になりがちですが、この会議に参加することで、現場以外の社員と交流したり、同期と顔を合わせたりする機会をつくろうと考えたのです。
会議の時間をお昼前に設定して、会議終了後には一緒にお昼を食べに行くようにしていました。おかげで日々のたわいもない出来事から、仕事上でのちょっとした悩みなど、食事をしながら話をすることができました。これまでは皆無だった、新卒1年目の社員が様々な部署の人と関わる機会が増えたのは良かったです。
自身が書いたourlyの記事に対する「いいね」やコメントといったリアクションもあり、「会社全体で自分たちを見てくれている」という安心感が、エンゲージメント向上にもつながっていると実感しています。
──記事の発信だけでなく、運用を通じたコミュニケーションそのものが、若手社員の定着につながっているのですね。採用面での効果はいかがですか?

採用にも間違いなく効果が出ています。昨年2名だった新卒採用ですが、今年は10名の採用に成功しました。当社の規模でこの人数は、同業他社から「どうやったの?」と驚かれる数字です。
実は、会社説明会や面接の場で、実際に『ourly』の画面を学生に見せるようにしました。建設業の現場、特に躯体工事などは、セキュリティの関係でHPやSNSにはリアルな写真を出しにくい事情があります。
でも、クローズドな『ourly』であれば、大規模な現場の迫力ある写真や、そこで働く社員の様子を写真や動画を交えて見せることができます。
「うちはこうやって仕事をしているんだよ」「新人もこうやって発信できるんだよ」と、リアルな現場と社風を可視化して伝えることで、「建設業=古い、怖い」というイメージを持っていた学生も安心してくれるようです。
──学生にとっても、入社後の働くイメージが湧きやすくなりますね。
ええ。あと、実際にインターンシップの一環として、学生にourlyで記事を書いてもらう「広報体験」を実施しました。
ある学生が書いた記事に対して、社員から「いいね」や温かいコメントがたくさん集まったんです。その学生は、大手ゼネコンを含む数社から内定をもらっていたのですが、最終的に「平岩建設の雰囲気が一番良かった」と当社を選んでくれました。
「記事へのリアクションが返ってきて嬉しい」と喜んでいましたし、会社のいい雰囲気が伝わったようです。ただ説明を聞くだけでなく、実際のコミュニケーションの輪に入る体験が、強力な動機づけになったのだと思います。
──最後に、今後の展望をお聞かせください。
平岩建設は創業80周年を迎えます。現在、100年企業をめざして新たなミッション・ビジョン・バリューの策定を進めているところですが、これらを浸透させていく上でもourlyは欠かせないツールになると考えています。
「相互理解」のフェーズはある程度達成できたので、次は「働きがい」や「誇り」を醸成するフェーズに進みたいですね。建設業は大変な仕事ですが、地域の暮らしを支え、地図にも残る素晴らしい仕事でもあります。他の現場の社員がどんなにすごい仕事をしているかを知り、互いにリスペクトし合える。
そして「うちの会社、いい会社なんだよ」と社員が胸を張って言えるような組織を目指していきたいと思います。
──本日は貴重なお話をありがとうございました!


株式会社ビットエー ourlyカンパニー 執行役員 兼 組織開発コンサルタント
河野 芳紀新卒で不動産会社に入社し、個人・法人コンサル営業、現場管理業務などに従事。その後、リノベーション事業やSaaS事業で営業責任者・マネージャーとして、チームビルディングや新規事業推進を経験。カスタマーサクセスを経て、2024年8月よりourlyにて組織開発コンサルティングに従事。多岐にわたる事業フェーズでの経験と、顧客への深い理解に基づく提案が強み。
<担当コンサルタントからのコメント>
建設業界は、現場中心の働き方という物理的な制約により、組織の一体感を醸成することが難しい業界の一つです。多くの企業が社内報を「情報の伝達」に終始してしまう中、平岩建設さまの事例が画期的なのは、ourlyを「社員間の心理的距離を縮めるハブ」として戦略的に活用された点にあります。
組織開発の観点では、組織の成果を上げるためにはまず「関係の質(相互理解・心理的安全性)」を高めることが重要であるとされています(ダニエル・キム「成功の循環モデル」より)。
平岩建設さまは、プロフィール機能やオフライン施策を通じて徹底的にこの「関係の質」向上に取り組みました。その結果、若手社員の孤独感が解消され、離職率改善や採用成功という目に見える成果につながっています。
まさに、ツール導入をゴールとせず、組織文化の変革まで踏み込んだ、建設業界におけるDXと人的資本経営のモデルケースと言えるでしょう。
ourlyでは、導入企業さまの事例をPDFにまとめています。
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