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【新卒3年以内離職率が0%に】“ザ昭和”の建設会社が、若手が辞めない組織に生まれ変わった理由とは 

荒井建設株式会社

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  • 建設・ゼネコン

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101〜300名

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経営者インタビュー

記事のポイント

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1級の土木施工管理技士の流出が組織の課題に

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拠点を越えた建設現場のつながり強化のために導入

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新卒3年以内離職率0%へ。支え合う関係が生まれた

主に土木、舗装、建築などの工事施工や電力事業を手がけ、官民両方の地域インフラ整備に貢献してきた荒井建設株式会社。北海道旭川に本社を構え、2024年に創業130周年を迎えました。

かつては「荒井建設は役所より役所だ」と言われるような会社でした。事務所では私語は聞こえず異様なほど静かで、現場では作業所長が怖くて話しかけられない。一時期は、1級の施工管理技士を取得し、これから所長になろうという技術者が相次いで辞めていきました。

その同社では、2022年度以降に採用した新卒社員が累計28名にのぼるものの、入社3年以内の離職率は0%を維持しています。さらに、組織全体の離職率も改善傾向にあります。

今回は、取締役社長 荒井克典様、経営企画部企画課長 永倉様、土木技術部ICT推進課長 佐藤様に、組織に何が起きたのかを伺いました。

20代後半の技術者が、相次いで役所へ転職した

──ourlyを導入する前、組織はどのような状態でしたか。

永倉様:当社は社員の約8割が技術者で、道内各地と東京の工事現場を拠点に働いています。建設工事は通年行われますが、土木は基本的に春から冬の降雪前まで、建築は複数年にわたる工事も少なくありません。技術者はそれぞれの現場で生活しているので、以前は同じ会社にいながら一度も会ったことがない社員もいました。

佐藤様:10年以上前のことですが、昔は役所の方から「荒井建設は役所より役所だ」と言われるくらい、キッチリしすぎていて融通が利かないイメージがあったんです。

バックオフィス部門の事務所は私語厳禁なのかというくらい静かで、キーボードと電卓の音しか聞こえない。現場でも、作業所長が怖くて、若手社員が話しかけにくい状況がありました。

──退職されると会社として一番痛みが大きいのは、どのような方でしたか。

佐藤様:私は中途で入って20年ですが、とても困ったのは、多くの社員が公務員に行ってしまった時期があったことです。

1級の施工管理技士を20代後半で取って「さあこれから所長へ」という優秀な社員が、公務員試験を受けて相次いで辞めていってしまいました。

理由は、休みが少ない、所長が厳しすぎる、朝早くて夜遅い、結婚してもなかなか家族に会えない。そういうことだったと思います。役所は土日休みで安定していて、定時で帰れますから。

──その影響は今も残っていますか。

佐藤様:土木も建築も、ちょうど今の30代中盤から40代中盤にあたる10年分くらいの社員が、明らかに少ないんですよね。

永倉様:いま、35歳前後の技術者は、どの部署もすごく求めています。ただ、キャリア採用で確保する有効な手段がなかなか見当たらないのが実情です。

拠点が点在する建設現場の孤独感。ourlyの「考え方」に共感して導入

荒井建設株式会社(荒井社長)

──ourlyを導入した経緯を教えてください。

荒井様:ビジョンは「かっこいい会社になろう」、ミッションは「わたしたちの幸せが、まちの未来を切り拓く」です。まちの未来を切り拓く原動力は、上司からの命令ではなく、自然と湧き上がってくる「地域のために何かしたい」という気持ちだと思っています。

そうした想いが生まれるには、まず自分自身が幸せであることが大切です。社員それぞれが自分らしく働けて、「うちの会社、けっこういけてるんだよね」と思ってもらえる会社にしたい。

そう考えて、「人に優しい職場環境をつくりたい」という思いでロゴやミッションビジョンを刷新しました。

この思いをきちんと伝える仕組みとして、グループウェアや紙の社内報を運用していましたが、使いづらさを感じる部分や使いきれない機能もあり、別のツールを検討し始めました。

佐藤様:実務的な部分でいくと、グループウェアのシステムの特性上、コメントが大量に送信されるとサーバーが重くなってしまい、最終的にはコメント禁止令を出すしかなくなったんです。

サーバー容量が気になるので、せっかく撮った写真も圧縮してから添付していました。それではコミュニケーションが止まってしまいますし、現場報告の質そのものも落ちてしまいます。

土木部門と建築部門の間の交流も少なくて、現場ごとに情報が孤立しがちでしたね。

──ourlyの決め手はなんですか。

荒井様:ourlyの「考え方」に共感できたのが一番大きかったですね。

もともとコミュニケーションを大事にしたいという思いはありましたが、コロナ以降にリモートワークを一部導入し、人と人とのコミュニケーションがうまくいかない部分があると感じていました。

特に我々のような建設業では、現場が各地に点在していて、担当者との物理的な距離があります。ほかの業種以上に孤独感を感じることが、コロナを経てさらに強まっていたと思います。

そんなとき、ourlyの営業の方から「業務的な内容はもちろんですが、もっと個人的なことや身のまわりに起こったことも含めて相互に情報共有した方が、より相互的な理解を深められるんじゃないですか」という提案をいただいて、はっとしたのを覚えています。

当時はどうしてもビジネスに限定した情報共有を想定していましたが、個人的な話題からつながりが生まれ、そこからビジネス的な価値のある会話が生まれることは往々にしてあります。この考え方に魅了され、さらにシステム担当者が数あるコミュニケーションツールの中でourly社内報が最も使いやすいという見解だったので、そこを信頼して導入を決意しました。

入社1年目から役割が与えられ、組織への帰属意識が生まれる

荒井建設株式会社(佐藤様)

──導入して変わったことはありますか。

荒井様:ourly社内報の情報共有を通じて、これまでになかった社内コミュニケーションが生まれるきっかけになっていると感じます。

これまで通りの現場報告は行っていますが、それに加えて、苦労したことやうれしかったこと、周りに伝えたいことを書いてくれる社員がかなり増えました。提案でいただいたようなプライベートな情報も、記事として公開してもらっています。週末に行ったところがよかった、なにをしたのか、といった話です。

永倉様:お世辞抜きで、ourlyは本当に役立っていると思っています。

どんな顔をしていて、どんな言葉を話す人なのか。ourly社内報を通じて、それが手に取るように見えてきました。実際に会ったことはなくても「同じ会社で働く仲間なんだ」と自覚できる。そこに社内報の大きな役割があると思っています。

また、若手社員が現場報告を書く、という役割があるんです。若手からすると、まず「ここで自分にできることは何だろう」と考えると思います。資格や専門知識がまだ十分になくてもできることの一つが、社内報での情報共有なんです。プレッシャーに感じることもあるかもしれませんが、役割があるというのはすごく嬉しいことだと思うんですよね。

しかもそこに「このラーメンを食べて美味しかった」といった自分の個性を書き添えられるチャンスが、1年目からある。「自分にしかこれはできない」「これ得意かも」と気づける機会が、入社してすぐに来るんです。

──若手の方が発信の中心になっているのですね。

永倉様:実際、先輩より若い社員の方が上手く書きますし、写真も上手です。自信につながるツールとして、かなり良いんじゃないかなと思っています。

佐藤様:ある治山工事の担当者が3D図面や空撮写真を使って記事を書いたときは、「いいね」が70以上つきました。廃材を使って作った鳥居の話が社内ですごく注目されたこともあって、それを見た他の社員が自分も色々書こうとなる。そういう循環が生まれています。

──書いたものに反応が返ってくるわけですね。

荒井様:発信されたものに対してフィードバックするという、新たなコミュニケーションも生まれています。

佐藤様:これまであまり接点がなかった部署同士でも、共通の趣味や興味がきっかけで新しいコミュニケーションが生まれていますね。

──発信を続けてもらうために、工夫されていることはありますか。

永倉様:すべての社員がいつかどこかでスポットライトが当たる機会をつくろうという活動を、ここ2〜3年続けてきました。それが「この会社、意外と良いかも」と思ってもらうことにつながっているのかなと思います。

具体的には、表彰制度の拡充や写真コンテストのほか、ourly社内報の投稿大賞をやっています。毎年、金賞・銀賞・銅賞を選出し、賞状とアマゾンギフト券の副賞を渡しています。

──そうした積み重ねが、定着にもつながっているのでしょうか。

永倉様:単に順位を競うことが目的ではありません。根底にあるのは「自分が歓迎されている」「自分の発信を見てもらえている」「認めてもらえている」という実感だと思います。

自分が発信したことに反応があり、評価される。その積み重ねで、会社の中に自分の居場所がある、自分も組織の一員なんだと感じてもらえる。若手の発信をきっかけに、普段は接点のない社員に名前や顔を覚えてもらったり、会話が生まれたりもします。

そうして社内につながりが増えていくことが、孤立を防ぎ、「ここで働いていていいんだ」と思える環境づくりを支えているのではないかと感じています。

新卒の3年以内離職率が0%に。「辞めようかな」の相談があっても、誰かがフォローする

荒井建設株式会社(永倉様)

──定着には、どのような変化がありましたか。

永倉様:2022年度以降、新卒の入社3年以内の離職率が0名で、毎年更新しています。そこはすごく自信になっていますね。入って辞められてしまうのが、一番切ないですから。

──手応えを感じるのは、どのような瞬間ですか。

永倉様:やっぱり「みんな辞めない」というのは、すごく嬉しいことですよね。

「辞めようかな」と思っているという相談を聞いても、誰かがフォローしてくれる。社内のコミュニケーションを通じて同世代のつながりが増えて、誰かと気が合って支え合っている関係性ができているのは感じています。

上下の壁がなくなり、20代後半が作業所長を務める組織へ

──組織の雰囲気そのものは、どう変わりましたか。

佐藤様:以前は現場で所長が怖くて話しかけにくかったのが、今は気軽に先輩や所長とおしゃべりする雰囲気になっています。若い社員にとって窮屈じゃない。10年前とは全然変わったなと感じますね。

──雰囲気づくりは、経営として意図されたものだったのでしょうか。

永倉様:その通りだと思います。

トップのメッセージとしても「命に関わることはもちろん完璧にやらなければいけないけれど、命に関わらないなら失敗したっていいんだぞ、何度もチャレンジしなさい」と背中を押してくれているので、それはとてもありがたいことだなと思っています。

──挑戦を促すという方針は、人の配置にも表れていますか。

佐藤様:先ほど30代中盤から40代中盤が手薄だという話をしましたが、そのぶん若いうちから経験を積み、成長できる環境づくりに努めてきて、その結果今は、20代後半で所長を任される社員もいます。

同業他社ではあまり見られないパターンだと思います。若いうちから現場を任せてもらえる環境は、当社の特徴になってきていますね。かつて弱点だったことが強みに変わったとも言えます。

内定者にもourly社内報のアカウントを発行している

──採用にも変化はありましたか。

佐藤様:大きいのは、実際に若い社員に採用活動を任せていることです。以前は私を含めた年配の社員でやっていましたが、今は20代の社員が担当するので、学生と年が近い。そこが当時とは全然違います。

永倉様:大学の説明会やイベントで会ったり、会社に来てもらったりした学生の声を聞くと、同世代の少し上のお兄さんお姉さんとぶっちゃけたトークで「どういう働き方ができるか」という話ができる。雰囲気も柔らかくて怖くなかったと、好印象を持ってくれています。「一度会えばきっと入ってくれるかな」という自信があります。

内定者にも、ourly社内報のアカウントを発行して、入社前から見てもらっています。

佐藤様:導入した当初から、内定者や選考中の学生に記事を限定公開して、当社のカルチャーや社員のリアルな姿を知ってもらえないかと考えていたんです。それが今、形になっています。

次世代経営層の育成へ。まちづくりを見据えて

荒井建設株式会社(メンバー一同)

──今、人事のテーマとして最も力を入れているのはどこですか。

永倉様:育成ですね。事業計画としても「権限移譲」を打ち出しています。

権限は40代・50代をトップに置いてスピーディーに回していかないと、時代についていけない。裏側で次世代経営層の選抜をして、30代・40代のうちに指名して育成していく方針を出しています。

組織体を徐々に生まれ変わらせていくのは、大変なことです。変化しすぎて疲弊しないよう、しなやかに変われる組織体にしていきたいと思っています。

──育成を下支えする仕組みとして、ourlyサーベイも導入されました。

永倉様:これまではアナログで取っていて、限られた社員で検証・分析をしていたので、少し私的な判断があったかもしれません。社員がポジティブに受け止めていない様子も見られました。

そこを客観的な分析に変えることで、社員もすんなりと受け入れられるようになるのではないかと考えました。エンゲージメントのあたりも、育成面をしっかり下支えしたいと思って導入しています。

──最後に、今後の展望について教えてください。

荒井様:私たちは、建設業として「設計したものを正確に、品質よくお客様へ提供する」という使命があります。

今後はそれを通じて、さらにまちづくりに進出していき、民間企業でありながらも公共性をもった施設を手掛けて、公共性のある存在になっていきたいと考えています。自治体の手が届きづらいところや、長期的な社会課題に対しても、我々が解決のヒントを提供できるようになっていきたいです。

これだけ重要な問題を私一人ではなく、組織一丸となって進めていかなければなりません。そのうえで、社内のコミュニケーションは必要不可欠になっていくと思います。

──ourlyへ期待していることはありますか。

荒井様:今後は、社内コミュニケーションをより活性化させて、社内の結束力をより強めていきたいです。単純なプライベートな会話だけではなく、それを種に事業につながりイノベーションを生み出す会話が生まれ、さらに地域の方々が求めているものとつなげていけたらいいなと思っています。

ourlyは社内向けのコミュニケーションツールですが、今後は社外の方々ともコミュニケーションをとりながら、地域が求めているものを探り、まちづくりをするうえでの起点にしていきたいです。

──本日は貴重なお話をありがとうございました。

荒井建設株式会社(メンバー一同)

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