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ブランドへの愛はあった。足りなかったのは、会社を知る機会だった─全国60店舗・約400名の組織づくり

株式会社エーアンドエス

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  • 小売・飲食

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301~500名

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社員様の声

記事のポイント

・

MVVの刷新による発信・浸透が課題になっていた

・

新卒や部門を巻き込んだ社内報運用が実現

・

働く仲間や会社の雰囲気が自然に伝わるように

ジュエリーブランド「agete(アガット)」を展開する株式会社エーアンドエス。国内60店舗以上を運営し、約400名の従業員のうち、多くが全国の店頭に立つジュエリーアドバイザーだ。

店舗が全国へ広がるほど、会社の言葉は現場から遠ざかっていく。それぞれの課から情報が届き、店舗には毎日多くの連絡がいっていたため、経営が掲げるミッション・ビジョン・バリューはなかなか伝わり切れていなかった。

同社は2025年4月にourlyを導入。一緒に働く仲間のことを色々な場面で発信したこと、会社が大事にしている価値観を届け続けたこと、店舗からは見えづらかったキャリアの選択肢を可視化したこと、そして新卒研修から運用に巻き込みコミュニケーションのきっかけをつくったこと。その積み重ねによって、入社1年目の離職率も改善している。

ourly社内報の運用を担う管理部 広報課の川瀬さんと明さんに、店頭から見えていた景色と、この1年で起きた変化を聞いた。


プロフィール
株式会社エーアンドエス 管理部 広報課 課長:川瀬 太郎 氏
2015年入社。生産部門を長く経験したのち、サステナビリティ推進課の立ち上げに参画。現在は広報課の責任者として社内外の情報発信を統括する。

株式会社エーアンドエス 管理部 広報課:明 可菜子 氏
2008年、アルバイトとしてアガットに入社。多くの店舗を経験し、店長を務める。その後、サポートオフィスヘ異動し、2024年からサスティナビリティ推進課の立ち上げに参画。現在では広報課で社内報の企画・運用を担う。

「知っていた。大切にもしていた。でも理解していなかった。」

──組織が拡大し、店舗が全国へと広がるなかで、理念の浸透や一体感づくりにはどのような難しさがありましたか。

川瀬さん: ひとつは、MVV自体が新しく変わったタイミングがあったことです。

まず私たち自身がMVVとは何なのかをしっかり理解しないと、伝える側として伝えられない。だから経営陣と話をしながら、いろいろなキーワードをまず自分たちに入れていくところから始めました。

難しかったのは、以前のMVVがわりと浸透していたからこそ、新しいものに切り替わったときにどう伝え直すのか、という部分でしたね。

──明さんは多くの店舗で店頭に立ってこられました。現場にいると、MVVや経営のメッセージは遠く感じるものなのでしょうか。

明さん: 当時はありました。以前は年間目標を立てるときや振り返りを行うときに触れる機会があり、店舗スタッフにとっても大切にすべき言葉という認識がありました。私も入社当初は復唱し、暗記することが当たり前でした。

ただ、当時はそうした言葉や位置づけを意識する機会はあまりなく、そのため自分ごととして深く理解し、体現できていたかというと、正直そこまでではなかったと思います。

──経営の考えに触れる機会そのものは、どのくらいあったのでしょうか。

明さん: 店長になると、店長会で経営陣から直接話を聞く機会はあります。ただ、上期・下期の年に2回くらいなんです。

それを店舗に持ち帰って何を共有するかというと、前年がどうだったか、今期はどうするかという戦略の話になる。やっぱり販売員なので、売上に直結することに目が向いてしまいがちなんですよね。あとは、その年のブランドのコンセプトとか。

そもそも会社に対してというよりかは、ブランドへの意識がすごく強かったんです。
特にアガットは昔から売上の中心でしたから、会社の長期的な目標よりもブランドが今期何をするのか、という目の前の意識の方が強かった。

──会社への帰属意識よりも、ブランドへの帰属意識が強かったと。

明さん: 強いですね。店長会でも各部の話があるなかで、耳に入ってくるのはやっぱり店舗の私たちと関りの多い部署の話なんです。

それを店舗に持ち帰るので、経験の浅いスタッフになればなるほど「今期はピアスを強化ですよね」「今年はシルバー強化ですよね」といった商品や販売の話が中心になっていました。

一方で、会社として何を目指しているのか、どんな考え方を大切にしているのかといった部分を伝える機会は、あまりなかったように思います。

──横のつながりという観点では、過去と現在ではどのような変化を感じられていますか。

明さん: 私が店舗にいた頃は、近隣の店舗とのエリア合同ミーティングやサブ会、接客ロープレなどの対面でコミュニケーションを取る機会が多かったです。

でも、コロナをきっかけにそういった機会が減ってきていて、横とのつながりも少なくなった。特に遠方の店舗は異動も少ないので、横のつながりがないまま、ずっと同じ店舗にいることになります。

だからこそ、多店舗との繋がりを作ることが大きなテーマで、心理的な距離を無くしていきたかったですね。

「社内報って、こんなに活用できるものなんだ」

──ourly導入以前も、Web社内報を運用されていましたね。

明さん: サスティナビリティ推進課になってから1年は、以前のツールを使っていました。販売部門とその他の部署と一緒に運営していたのですが、発信する内容は結構少なかったんです。

表彰内容の共有や部署紹介など、メールでは伝えきれない内容を、写真を添えて発信するくらいの位置づけでした。

──PDCAを回すという発想は、当時はあまりなかったとおっしゃっていましたね。

明さん: なかったですね。当時は、社内報はただの共有ツールくらいの認識だったんです。発信したいことをとりあえず発信して、見てもらえればいい、という程度で。

だから展示会でourlyさんの「社内報は理念の浸透やエンゲージメントの向上に役立つ」というお話を聞いたときは、本当に感動したんですよ。「社内報って、そういうものなんですか?」って(笑)。こんなに活用できるものだとは、全然思っていなかったので。

川瀬さん: PDCAを回す以前に、前のツールは分析ができなかったことが大きいです。できるにはできるのですが、全体像が捉えづらかった。

もっと読んでもらうにはどうしたらいいのか、伝わっていることをどうやって理解すればいいのか。発信する場があるだけでは足りない、というのが当時の実感でした。そこにずっと引っかかりがあって、ちょうど展示会に足を運んだ、という流れです。

──数あるサービスのなかで、ourlyを選んでいただいた理由を教えてください。

川瀬さん: 一番のポイントは、伴走型で支援していただけるところでした。自分たちだけで判断することが多く、他社様がどうなのかという視点自体を持てなかったので、自分たちを客観視してくれる相手が必要だったんです。

「この記事の目的は何ですか?」——毎回、問いを投げられた1年

──具体的な支援のなかで、印象に残っているものはありますか。

明さん: 定例では、毎回同じことを聞かれるんです。「誰に何を届けるのか」、そして「それを発信したあとにどんな変化につなげたいのか」。そこまで設計してから記事を書きましょう、と毎回(笑)。

でも、そのおかげで「社内報ってこんなにしっかり考えて発信するものなんだ」と学びました。定例で振り返って、次の記事で試して、また振り返る。以前はできなかったPDCAが、ここで初めて回り始めた感覚があります。1年間運用してみて、社内報アンケートの結果がそれに伴って変わっていくことも実感できたんです。

2年目に差し掛かった今は、記事をつくるにあたってまず目的をブレさせない。基本中の基本なんですけど、それを学ばせていただいたという感じです。

──そうですね、定例の中では問いを与えることを意識していました(笑)。新卒研修にourlyを組み込む取り組みもされていますね。

明さん: 最初に「新卒を巻き込みましょう」とご提案いただいたときは、「そんなに新しい社員を巻き込んで大丈夫なのかな」という発想でした(笑)。でも「新卒だからこそ意味がある」とアドバイスをいただいて。

川瀬さん: 新卒者のメンバーのことや新卒者からみた会社・ブランドの考えを先輩社員に知ってもらうために、新卒研修の中でourlyの特徴、実際の登録、そして記事を書くコツを伝えたうえで、新卒メンバーが3グループに分かれて自分たちで記事を上げる。半日くらいは使っていますね。

新入社員による社内報記事

明さん: 私も先日、その研修を後ろから見学させてもらったのですが、みんな真剣に考えながらやっていました。新卒研修なのでずっとグループで行動しているわけですが、ひとつのテーマに向かってチームでやっていくことが、すごく良いチームワークになったと研修を行っているチームからも聞いています。

読む側としても、新しい視点で書かれた記事から「ああ、そういう表現があるんだな」と気づかされる。これは本当に良かったと思っています。

──ourlyの運用の中で、まだ課題として残っているテーマはありますか。

明さん: 「担当の部署だけが発信するものではない」「経営層をしっかり巻き込んでください」と言われていて。ここはまだ今期の課題として残っています。代表が一番協力的に発信してくれているので私たちも安心感があるのですが、なかなか、代表以外の経営層が配信するところまでできていない。

年間でMVVを発信するにあたり、トップだけでなく、他の経営層からの発信計画を立てているところです。

川瀬さん: 各部にひとり執行役員がついているので、MVVをそれぞれの役割に落とし込んだときにどういうことなのか、を発信できると、現場のメンバーがMVVを理解しやすくなるきっかけになるのではないかと考えています。

まだ課題は残っていますが、正直なところ、御社の伴走がなかったら、今のような状態にはなっていなかったと思います。

「こういう記事を上げたい」——広報課の外から、企画が生まれ始めた

──「日本横断!全国の店舗をご紹介♪」など、店舗にスポットライトを当てる企画が多いのも特徴的です。

明さん: 社内報の役割が浸透するにつれ、他部門でも社内報を活用したいという声が上がるようになりました。

全国に店舗があるために販売部門ではコミュニケーションに課題があると感じており、もっと一緒に働く仲間ことや人となりを知ってもらいたい、記事をつくる過程で会話が生まれる機会にしていきたいという思いから、他部門が作成する「日本横断!全国の店舗をご紹介♪」など、店舗や人を取り上げた記事が多くできていました。

川瀬さん: 最初は「まずは担当者から」ということで私たちから始めたのですが、明が社内でそれまでとは違う形でコミュニケーションを取ってくれたことで、他部署から「こういう記事を上げたい」と声が上がるようになりました。

私たちが企画するだけでなく、他の部署がそれぞれの課題感でourlyを使って解決していこうという動きに繋がった。効果を感じてもらえている証拠だと思っています。

──記事の内容にも工夫を加えられたと伺いました。

明さん: 過去のエピソードを載せるようにしたんです。これは新人研修のなかで「先輩たちの過去エピソードが聞きたい」という声があって。キラキラした内容だけではなく、失敗談やピンチのときの話も知りたいじゃないですか(笑)。

それを入れることが読んでもらうきっかけにもなりますし、研修を重ねるなかでこの記事がどんどんストックされていけば、「こんなときはどうするんですか?」という話が出たときに「この記事を読んだらいいよ」と言えるようになる。他部署のひとがそう言ってくれていて、これはまさにourlyの使い方のひとつの特徴だなと思っています。

店舗という小さな場所からは見えない、キャリアの選択肢

── 「S-Career講座」「つながる仕事図鑑」といったキャリア関連の企画にも取り組まれています。

明さん: 会社としては、「こういうキャリアもありますよ」とか、「ステップアップに役立つ制度や福利厚生がありますよ」という情報を発信しているのですが、全員に伝わり切れていない印象でした。

特に店舗は接客販売以外の仕事と触れる機会が少いため、SOの仕事を知りたいという声が多かったです。なので、自分の将来を考える材料にしてもらえたらと思って、キャリアに関する企画を発信しています。

当社には社内公募制度がありますが、募集要項だけでは仕事内容をイメージしにくく、応募へのハードルも高くなりがちです。だからこそ、実際に働く人や仕事内容を知ってもらい、「自分も挑戦してみたい」と思えるきっかけをつくりたいと考えていました。

川瀬さん: 「つながる仕事図鑑」の起点は、店舗から「商品ができるまでを知りたい」という声がとても多かったことです。接客のなかで話せるキーワードが増えますから。

ただ、そこで終わらせずにキャリアへ結びつけたかった。社歴が浅い人にも選択肢の広がりを持ってもらうには、まず知ることからスタートしないといけない。

私はずっと生産畑ですが、生産の仕事を詳しく説明したところでイメージはつかないんですよ。「商品ができるまで」という形なら、店頭にいるからこそ伝わる。それが結果として、それぞれの部署の仕事を伝えることにもなる。この設計だけで3ヶ月くらい議論しましたね(笑)。

入社1年目の離職が減った背景にあるもの

──入社1年目の離職率が改善しています。ourlyだけが要因ではないと思いますが、社内報の発信が定着に寄与していると感じられる部分はありますか。

川瀬さん: オンボーディングで一番難しいのは、会社に早くなじんでもらえるかどうかだと思うんです。ジュエリーの仕事は好きだけれど、なかなか会社になじめないと早い段階で離職を考えてしまう。

私は同じジュエリー業界で3つのブランドを経験していますが、正直、全く別の会社くらい違います。異業種に転職したくらいの感覚の違いがある。それくらい違うものなんです。

そうしたなかで、代表を筆頭に一緒に働く仲間がいろいろな形で登場してくれているので、会社の雰囲気や、何を大事にしているのかが自然に伝わっていく。入社前後で感じるギャップが小さくなる。会社の雰囲気が伝わりやすくなったことは、ひとつ大きいと思います。

──キャリアの選択肢が見えることも、そこに関わってきますか。

川瀬さん: 大きいと思います。せっかく入社してくれた人が、「この会社で自分はこうなれる」という像を持てないまま辞めてしまうのは、一番もったいないことですから。

社内公募制度があっても、その存在が届いていなければ選択肢にはなりません。日常のなかで自分のキャリアを考えられる状態にしておきたかった。「つながる仕事図鑑」も「S-Career講座」も、そのための入り口です。

店舗にいると、どうしても見えている世界が店舗の中だけになる。そこに他の部署の仕事や、そこへ移っていった先輩の姿が届くようになると、「辞める」以外の選択肢が見えてくるんじゃないかと思っています。

「ourlyを見れば、うちの会社がわかる」状態へ

──最後に、サポートオフィスと全国の店舗も含めて、今後社内報をどのように育てていきたいとお考えですか。

明さん: シンプルに、「ourlyを見ればうちの会社がわかる」「どんな人が働いているかを知れる」「社風を知れる」というツールにしたい。それが一番の目的かなと、私のなかでは思っています。

川瀬さん: それぞれが「こういうことをやっていきたい」というヒントを掴んでくれるものになってくれたらいいなと思います。「こういう人みたいになりたい」でもいいですし、会社がこういうことをやろうとしているから「じゃあ自分はこうしたい」でもいい。そのきっかけになってくれたら。

そして、ただ事業だけではなく、サステナビリティという部分で社会貢献に自分たちが携わっているんだという実感を持ってもらえるツールとしても広がっていってくれたらいいと思っています。

担当コンサルタント

株式会社ビットエー ourlyカンパニー 執行役員 兼 組織開発コンサルタント
河野 芳紀

新卒で不動産会社に入社し、個人・法人コンサル営業、現場管理業務などに従事。その後、リノベーション事業やSaaS事業で営業責任者・マネージャーとして、チームビルディングや新規事業推進を経験。カスタマーサクセスを経て、2024年8月よりourlyにて組織開発コンサルティングに従事。多岐にわたる事業フェーズでの経験と、顧客への深い理解に基づく提案が強み。

<担当コンサルタントからのコメント>

多店舗展開する企業では、情報は「点」で流れがちです。店舗には店舗の会議、本社には本社の会議があり、それぞれの場で最適化された情報が届く。けれど、その総体として会社が何を目指しているのかは、どこにも立ち上がってこない。エーアンドエス様が最初に取り組まれたのは、その情報を"ひとつの言語"に束ね直すことでした。

この1年、定例で私がしていたことは、ほとんど問いを投げることだけです。「誰に届けますか」「その先にどんな変化を起こしたいですか」「この記事の目的は何ですか」。答えをお伝えしたことはほとんどありません。それでも成果に繋がったのは、明様がその問いを毎回持ち帰り、エーアンドエス様の言葉に翻訳し直して企画に落とし込んでくださったからです。

組織のなかで、部署を越えて人と人を繋ぐハブのような存在は、実はそう多くいません。けれど、新しいことが動き出す組織には必ずいます。広報課の発信が他の部署の企画を呼び、店舗のチームづくりにまで繋がっていったこの1年は、まさにその力が働いた結果だと感じています。

そして、入社1年目の定着に表れた変化は、「読まれた記事の数」ではなく、会社の雰囲気や、そこで働く人の姿が入社前後の景色として自然に伝わるようになったことの積み重ねだと考えています。これからも、店舗に立つ一人ひとりが自分のキャリアを自分で選べる組織づくりを、一番近くで伴走させていただきます。

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